『SLAM DUNK』三井寿が人気の理由は?“ドクズ”エピソードを振り返る
『SLAM DUNK』新装再編版 1巻(井上雄彦/集英社)
映画『THE FIRST SLAM DUNK』の興行収入が67億円を突破し、再ブームが巻き起こっている『SLAM DUNK』。同作において三井寿はトップクラスの人気を誇るキャラクターだが、そこに違和感を抱いてしまう人も多いようだ。
序盤から描かれていたクズっぷり
三井は、中学時代に天才シューターとして県大会MVPを獲得していたほどの実力がある選手。
しかし、高校1年の頃にヒザを怪我してしまい、3年になるまでバスケから遠ざかっていた。
この挫折から、三井は不良の道を進んだ。積もりに積もった嫉妬や鬱憤は、バスケ部そのものに向けられていく。
後輩の宮城リョータにケンカを吹っかけたことに始まり、最終的には不良仲間とともにバスケ部を襲撃。廃部を懸念して反撃に出られないバスケ部員たちを、ひどい目にあわせていた。
この件をいまだに許していない読者もいるようで、《バスケ部潰そうとした三井がふつうに部活はいっちゃうのがクソだ》《三井サンは水戸洋平に足向けて寝るな》と憤る声も少なくない。
さらに問題なのは、そんなエピソードにおける三井が不良としても格好悪かったことだろう。
まず宮城とのケンカでは、前歯を数本折られたうえ、重傷を負わされ入院までしている。さらには桜木の友人である水戸洋平にも圧倒されており、とにかく打たれ弱さが目立つ。
ケンカにおいては不良仲間の鉄男のほうが強さを発揮していたため、三井は虎の威を借る狐。むしろ《鉄男は何で三井のために一緒バスケ部襲撃したの》《三井は喧嘩強くないのになんで鉄男と友達になれたんだろう》と、鉄男の懐の深さに疑問を抱く声もあるようだ。
自業自得のスタミナ不足
もちろん改心してからの三井は、正確無比なシュート技術によって、頼もしい活躍を見せてくれた。
しかしそんな彼には、スタミナ不足という致命的な欠点があったことを忘れてはならない。
怪我をして以来、2年近くバスケから離れていたブランクによって、まじめに練習していた面々と差が付いてしまった模様。体力はすぐに鍛えられるものではなく、試合の途中でバテてしまうことが何度もあった。
桜木は経験の浅さ、宮城は身長など、湘北メンバーにはそれぞれに欠点があった。
ただ、三井の欠点については完全に自業自得だ。三井自身が、体力不足の原因になった不良時代を後
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