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世界での累計興行収入が1500億円を超えるなど、驚異的な大ヒットを飛ばしている映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。しかしその裏で、ファンの評価は真っ二つに分かれているという。
「アメリカの大手映画批評サイト『ロッテントマト』を見ると、同作は96%もの観客が好意的な評価。『思っていたよりずっと良かった』『純粋に楽しい』など、高い評価を受けていることが分かります。
しかし、観客の高評価に対して、批評家の満足度は59%。例えば、タブロイド紙の『New York Post』は『キノコ王国やジャングル王国など、きっちりディテールを入れて描いてはいるが、魂はない。彼らがやりたいのはもっと物を売ることだけ。これはクリエイティブに見せかけた欲だ』と、痛烈に批判しています」(週刊誌記者)
こうした批評は、海を越えた日本でも話題に。
しかし、その多くは《評論家は娯楽に何求めてるんだ?》《文化芸術は個人の好みの領域だから、評論家がどうこう言う事の方が違和感》《元々マリオに凝ったストーリーもメッセージ性も観る側は求めてない》《批評家の意見なんかガン無視でいいよ》などと批判的なもので、観客と批評家の満足度の乖離が如実に現れる形になっている。
“大衆こそ正しい”と思い込むネットイナゴ
どうやら「マリオ」をめぐっては、ネット上で〝叩いてはいけない〟という風潮が出来上がっているようで、ネット上では日本の批評家も含めて、「マリオ」を悪く言った人を晒し物にしている。
しかし、その作風を考えると、賛否あるのも致し方ないだろう。
「『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は世界の支配を企む大魔王・クッパに、弟・ルイージを囚われたマリオがキノコ王国のピーチ姫とともに救い出す冒険劇。まぁ、早い話がゲームとほぼ同じ、違うのは囚われたのがルイージかピーチかという展開なわけです。
それだけにドラマ性やメッセージ性は乏しく、ゲームでおなじみのBGMが流れたり、ドカーン! ピューン! といったシーンが連続するだけ。〝小難しいことを考えなくてもいいエンタメ〟と言えば聞こえはいいものの、実態は幼児向けの空っぽな内容でしょう。
もちろん面白いと評価する人が多くいるのは理解できますが、『全くもってつまらん!』とぶった切られても仕方ない作風なのです」(
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