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やはり、かつてのように「国民皆が同じ音楽を聞く」という現象は起きないのだろう。
日本の音楽シーンに少なからず影響を与えるニュースが、8月下旬に飛び込んできた。フジテレビ系深夜の音楽番組『Love music』が、9月17日の放送をもって打ち切られることが決まったのだ。
「番組は2015年10月から放送されており、『FNS歌謡祭』(同系)のMCだった『アンジャッシュ』渡部建が司会を担当。不倫の不祥事で降板してからも番組は続きましたが、ついに終了することになりました。
番組にはメジャーな歌手から、比較的マイナーなアーティストまで出演していたので、ブレークを夢見るアーティストには貴重な場が失われたと言えるでしょう」(テレビ誌編集)
音楽番組をめぐってはここ数年、一時期の落ち込みから回復するかの如く、本数が増加傾向に。2020年には『CDTV ライブ! ライブ!』(TBS系)のほか、毎年春の音楽特番『Premium Music 2020』(日本テレビ系)がスタートした。
特に「CDTV」は、TBSで27年ぶりのゴールデンタイム音楽番組とあって大きな話題に。これらをもって「音楽番組の復活」と言われた時期もあった。
音楽番組というジャンル自体は時代錯誤か
「『CDTV』の開始は挑戦的でしたが、『Premium Music』は春ドラマの宣伝という意味合いが強い。過去の懐かし映像を振り返り、編集作業がいらない生放送で予算がかからないため、局側にとっては都合が良いから重宝していたにすぎません。特に2020年以降はコロナ禍で、各局ともスポンサー減に伴う予算削減は至上命題でしたからね」(テレビ局関係者)
地上波からどんどんと消えていく中、一時期、音楽番組は盛り返したように見えた。しかし、これは人気再燃によるものではなく、局側の都合にすぎないようだ。
毎年夏の音楽特番も、実は局の都合によるものだという。
「東日本大震災が起こった2011年に、夏の音楽特番『音楽の日』(TBS系)がスタート。これを皮切りに、翌年には毎年冬だった『FNS歌謡祭』が夏にも放送され、その翌年には『THE MUSIC DAY』(日本テレビ系)、2年後に『テレ東音楽祭』(テレビ東京系)など、〝夏の大型音楽特番〟を各局開催するようになりました。
これも結局は、震災
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