堺雅人 画/彩賀ゆう (C)まいじつ
8月6日に放送されたドラマ『VIVANT』(TBS系)で、ラストシーンに〝自白剤〟が登場したことが話題を集めている。
前回のラストで誤送金の犯人を太田梨歩(飯沼愛)と断定した乃木憂助(堺雅人)、野崎守(阿部寛)一同は、太田の行方に追っていく。その過程で、山本巧(迫田孝也)が太田と通じ、テロ組織のメンバーであることも突き止めた。
ドラマ終盤には、乃木が保護と装って山本を拉致し、自白剤を打って山本を尋問。テロ組織の目的などを聞き出し、最後には殺害してしまった。
すると放送後、この展開にツッコミが殺到。自白剤というフィクション作品にありがちなアイテムが出てきたことで、視聴者の失望を招くこととなった。
だがこの自白剤、実際に使われたケースも報告されており、完全な創作アイテムとは言えないのだ。
俳優のイメージで本格派っぽくなっているが…
「自白剤は何でもベラベラ話す超科学ではなく、判断能力や理性を鈍らせ、聞いたことに答えてしまう環境・心理を作り出すもの。チオペンタールという麻酔薬はこの一種で、2007年のインドでは、子供を誘拐・殺害した容疑者にこれを用いた尋問が行われたと報じられました」(社会部記者)
イギリス公共放送のBBCも、過去に自白剤に関する映像を公開したことがある。
「ちょうど10年前、BBCはYouTubeに、自白剤を使った実験映像を公開。ジャーナリストのマイケル・モーズリー氏が自ら被検体となり、『VIVANT』の山本よろしく、投与後にハイテンションで笑い始めました。
モーズリー氏いわく、2度目の投与後に『嘘をつかなければいけない』という考えが頭から消えたため、『質問者次第で真実を引き出せるのでは』とのことでしたが、投与後すぐに眠ってしまい、実用的ではないとも結論づけました」(同・記者)
どうやら、ドラマのように何でも話す魔法の薬ではないようだ。
「確かに自白剤は実在するかもしれないが、実際はドラマのように都合のいいシロモノではなく、シナリオで用いるのが荒唐無稽・突拍子もないのは変わりない。トンデモ技術をそれっぽく見せるかが、演出家や脚本、そして役者の腕の見せ所になっているのだろう」(ドラマライター)
一応作中では、山本が自白剤がとても効きやすい体質だと指摘されていた。視聴者からのツッコミにも、それなりに配慮されているよ
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