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WBC世界一に輝いた侍ジャパンの功績を記録した映画『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』が、ドキュメンタリー映画としては異例のヒットを飛ばしている。
同作は、2021年12月の栗山英樹氏の監督就任から、今年3月の侍ジャパン世界一までの軌跡を振り返る、完全密着ドキュメンタリー映画。代表選手の選考会議から、大会ベンチやロッカーの様子など、激戦の裏側がつぶさに映されている。
近年のスポーツドキュメンタリー映画といえば、2021年の東京五輪を描いた2部作『東京2020オリンピック SIDE:A/SIDE:B』が代表格だろう。
だが、同作は東京五輪自体にさまざまな疑義があったことから、歴史的な〝大コケ〟をしたことで知られている。
「同作は第一部の『SIDE:A』が、『憧れを超えた~』のちょうど1年前となる22年6月3日、全国200館で公開。しかし、公開初日の成績は初登場18位、3日間でも動員1万2208人、興収1667万1600円と散々な結果に終わりました。
第二部の『SIDE:B』に至っては、公開館数が170に減り、公開後3日間の動員は6877人、興収937万1800円と、五輪の失敗をそのまま映し出すような大爆死を遂げています」(週刊誌記者)
野球人気の高まりを示す異例の大ヒット
こうしたスポーツドキュメンタリー映画の過去の失敗や、エンタメ作に比べて数字が見劣りしやすい性質から、「憧れを超えた~」にも厳しい声はつきまとった。公開直前に起こった事件も、これを増幅させただろう。
「公開10日前、侍選手だった埼玉西武ライオンズ・山川穂高が強制性交の疑いで書類送検され、一部では延期やお蔵入りも懸念されました。しかし、逮捕や有罪確定ではないことから、結局は通常どおり、無編集で当初のまま封切りされています」(同・記者)
こうした不安もあったが、「憧れを超えた~」は大成功を収めることとなる。
「同作は6月2日の公開後、19日までの17日間で、観客動員58万5千人、興行収入は11億6千万を記録。ドキュメンタリーはエンタメ作に比べてどうしても数字が見劣りするので、異例のヒットと言っていいでしょう。今なお継続的なWBCフィーバーや野球人気を如実に表していますね」(同)
昭和の遺物として人気低迷が叫ばれていた野球だが、WBC効果で再び
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