眞栄田郷敦 画/彩賀ゆう (C)まいじつ
戦国時代とは思えないトンデモ描写で毎週視聴者を驚かせているNHK大河ドラマ『どうする家康』。
4月30日放送の第16回『信玄を怒らせるな』では、武田家の若武者たちがアングラ闘技場のような場所で武術を習うという驚きのシーンがあったが、武田家の跡取り・武田勝頼に眞栄田郷敦をキャスティングしたことで「映画ファンまで怒らせるな」という声も上がっているという。
一体どういうことか?
「眞栄田郷敦さんのお父さんはご存知、千葉真一さん。『仁義なき戦い』などで知られる昭和の大スターですが、古い戦国好きや映画ファンは映画『戦国自衛隊』のインパクトが忘れられない。あの作品がプロ野球なら、今の『どうする家康』など中学の野球部レベルに見えても仕方ない。NHKは、『あの千葉の息子に何やらせてんだ?』というわけです(笑)」(ドラマライター)
『戦国自衛隊』とは1979年に千葉さん主演で作られた角川映画。
現代の自衛隊が戦国時代にタイムスリップする――SF系のトンデモ作品ではあるが、自衛隊の戦車や機関銃をもってしても、戦国時代の人々や殺伐とした倫理観には勝てない、そんな緊張感があり、今なお名作として支持されている。
『どうする家康』では、圧倒的な眼力で「凄まじい迫力だ」と評価された郷敦にしても、父親が主演した『戦国自衛隊』の勝頼とは比べ物にならないほど迫力不足だという。
『戦国自衛隊』と『どうする家康』の大きな違い
「戦国自衛隊の勝頼は、クライマックスとなる合戦で、自衛隊のヘリコプターに乗り込み、パイロットを殺して撃墜するんです(笑)。普通ならバカ映画扱いされてしまうところですよね。でも、勝頼を演じたのがジャパンアクションクラブの若手ホープだった真田広之さんなだけあって、妙にリアリティがある」(同・ライター)
もしも手を滑らせたら大怪我を免れないような危険な撮影だったのであろう。同シーンが迫力満点なのは間違いないが、作品に説得力をもたせている理由はそれだけじゃない。
実際の画面では、真田勝頼がヘリに乗り込み、パイロットを殺して、ヘリから飛び降りるまで、それを支える後方部隊や道具がきちんと用意されているのである。
つまり自衛隊との合戦に備えて武田軍が情報収集に力を入れ、ヘリコプターや戦車、あるいは装甲車などの倒し方を徹底的に研究していたことがわかる
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