画/彩賀ゆう (C)まいじつ
「とりあえず人気俳優のスケジュールを抑え、後からテーマや作品を決める」。これは、日本のドラマ・映画界で定番の手法である。しかし一方で、駄作を量産する原因にもなっている。現在放送中のドラマ日曜劇場『下剋上球児』(TBS系)も、この類に当てはまるだろう。
ドラマは夢破れた元高校球児の顧問が、弱小野球部を再建し生徒に夢を託すストーリー。基になっているのは同名小説だが、〝原作〟〝実写化〟ではなく〝原案にしたオリジナル作品〟であり、大きく改変している。
ドラマの出発点も、テレビ局側の自己都合。これをさらに強調しているのが、主演・鈴木亮平というキャスティングだ。
「生徒役こそ、無名ながら野球経験者を揃えているのですが、肝心の鈴木は野球未経験。情報時に解禁されたコメントでは、『僕自身、野球は未経験なので目下練習中です!』と明かしていた。
ここから透けて見えるのは、〝主演ありき〟という悪しき風習。『下剋上球児』を是非とも実写化したかったのではなく、〝鈴木という人気俳優を抑え、彼の体格やキャラに合いそうな作品を後から持ってきた〟のが明白です」(ドラマレビュアー)
ジャニーズと同レベルでしかない鈴木亮平
実際、野球経験のある40歳前後の俳優には、少年野球で全国大会ベスト8を経験した山崎育三郎、名門・横浜高校で全盛期に部員だった上地雄輔らがいる。
「育三郎も上地も主演の器ではないし、鈴木ほどの演技力もない。野球が題材のドラマだからといって、野球をずっとしているわけではなく、人間関係がメインのストーリーなので、鈴木が適役なのは疑いようがない。とはいえ、鈴木の人気にあやかっていることは事実でもあります」(前出・レビュアー)
こうしたキャストありきの作品作りへの批判は、昨今、改めて強まっている。きっかけになったのは一連のジャニーズ問題だ。
「某有名記者や某脳科学者らがこうした声を上げ始めた。彼らの指摘はもっともかもしれないが、こうした風習を批判する者の多くは、イケメン俳優や旧ジャニーズしか問題視しない。現実には、鈴木をはじめ、業界全体で行われていること。しかし、彼らはこうした〝実力派に見える俳優〟は絶対に批判しない」(芸能ジャーナリスト)
芸能界の忖度・圧力問題はジャニーズだけだと思わないほうがいいだろう。
Source: まいじつ2
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