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電撃トレードでオークランド・アスレチックスからボルチモア・オリオールズへ移籍した藤浪晋太郎が、ここのところ別人のような快投を連発している。
藤浪は5月まで防御率10点台だったが、6月は防御率4.35と一気に改善し、7月は2.93と並のリリーフピッチャーにまで改善。7月19日から移籍したオリオールズでも好リリーフを続け、日本時間31日の試合でも、2イニングを1安打4奪三振の無失点に抑えた。
現在、チームでは同点や1点リードといった厳しい場面での登板を任されており、リリーフの柱としてすっかり信頼を勝ち得ている。そのきっかけとなったのが、日本時代から課題だった〝荒れ球〟の改善だ。
「オリオールズはコントロールの悪いピッチャーの育成に定評があり、次々と生まれ変わらせてきた。その立役者がクリス・ホルト投手コーチで、制球難からマイナーの最下層リーグで投げていたフェリックス・バティスタを、メジャー屈指の守護神にまで育て上げました。
左腕のシオネル・ペレスも、昨季のオリオールズ移籍以降は与四球率が約半分にまで改善。藤浪もホルトコーチの下で投球術を学んだのでしょう」(スポーツ紙記者)
翻って目立つのは、10年かけても藤浪のコントロールを一向に改善できなかった阪神タイガースの指導者たちだ。
指導力のなさが露呈した日本球界
「これまで、藤浪は数々の解説者や先輩投手、コーチがいくら教えても、全くノーコンが治らなかった。そんな荒れ球がたったの数ヶ月で一流ピッチャーレベルに成長したのですから、日本球界の指導が酷かったと言わざるを得ないでしょう」(同・記者)
だが日本時代の藤浪は先発にこだわり、渡米後のようなリリーフでの起用はなかった。もし藤浪が日本時代からリリーフ起用を受け入れていれば、短いイニングで制球難の影響を抑え、現在のように花開く未来もあったかもしれない。
「灼熱の炎天下で球児が疲弊するのを美談とする高校野球をはじめ、日本の野球界には、未だに前時代的価値観が根強く残っている。藤浪が所属していた阪神タイガースは特に酷く、2016年には当時の金本知憲監督が、懲罰的な意味を込めて161球も晒し投げさせました。こうした環境では、選手の成長や進歩が止まるのも当然でしょう」(同・記者)
メジャーの指導法が有効と分かれば、今
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