クラピカとクロロは鏡写しの関係?『HUNTER×HUNTER』による“復讐”の描き方
『HUNTER×HUNTER』37巻(冨樫義博/集英社)
『HUNTER×HUNTER』のクラピカとクロロといえば、作中でもっとも深い因縁のある宿敵の関係性。しかしこの2人には、どうやら運命的に似通った部分があったらしい…。ファンたちを驚愕させているのは、12月5日発売の『週刊少年ジャンプ』1号に掲載されたエピソードだ。
※『HUNTER×HUNTER』最新話に触れています
現在連載されているのは、クロロが「幻影旅団」を結成するきっかけとなった幼少期のストーリー。最新話にあたる第397話『結成(3)』では、同じ流星街の子どもが無残に殺されたことで、クロロの胸に強い覚悟が芽生えるのだった。
犠牲になった仲間の復讐と、流星街で同じような悲劇を起こさせないという決意。そのために自分を「悪党」としてデザインし、世界中の人間に恐怖心を植え付けることを決め、「幻影旅団」の立ち上げに至ったのだ。
これまでのクロロはミステリアスで寡黙な「悪党」として描かれてきたが、どうやらその人物像は本人が自らの意志で作り上げたものだった模様。出発点には大切な仲間の喪失があり、人生を“使命”に捧げていることが明らかとなった。
そこで「HUNTER×HUNTER」ファンであれば、あることに気が付くはず。皮肉にもクロロの人生は、「幻影旅団」を仇とするクラピカと酷似しているのだ。
クラピカはかつて「幻影旅団」に同胞のクルタ族を皆殺しにされ、復讐を果たすためにハンターとなった人物。自分の人生を復讐に捧げており、物語序盤ではそれ以外のことを一切犠牲にするような苛烈な性格を覗かせていた。
大切なものの喪失をきっかけに、使命に身を捧げるという構図は、2人とも鏡映しのようにそっくりだ。
クラピカとクロロの運命の一致に、ネット上では《クロロとクラピカが実は似たような境遇だったの、皮肉すぎる》《本当に似てるな…お互い生まれた環境が違ってたら立場も逆だったかもな》《逆だったかもしれねぇ…》といった声が上がっている。
実はあらためて振り返ると、20年近く前に連載されていた「ヨークシン編」の時点でクラピカとクロロの運命を匂わせる描写は存在した。
“似た者同士”構想と運命の分岐点
ヨークシン編はクラピカが「幻影旅団」を仕留めようとする話であり、実際にウボォーギンを倒すことに成功している。
旅団メンバーはクラピカを追って
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