堺雅人 画/彩賀ゆう (C)まいじつ
日曜劇場『VIVANT』(TBS系)で、主人公・乃木憂助(堺雅人)が、最終的に死ぬのではないかともっぱらのウワサだ。
乃木といえば、初登場の時は平凡なサラリーマンだったが、後にその正体が自衛隊の秘密部隊「別班」の一員であったことが判明する。
日本を守るため、謎のテロ組織「テント」の動向を追い続けていたが、第7話のラストで物語が急変。テントのリーダーで父親のノゴーン・ベキ(役所広司)に会いたい一心で、乃木は別班の仲間を銃撃し、裏切ったのだ。
「果たして乃木は本当に別班を裏切ったのか、今のところ真意は定かではありません。視聴者の間では、テントに潜入するための作戦ではないかとの考察が多い。ただ乃木が裏切ってなかったとしても、根っからの善人ではないということを忘れてはいけません。
第4話時点で乃木は国のために人をひとり殺めていますし、第8話では別班に入りたての頃に命令で人を殺したことも明かしていました。つまり乃木という男は、目的のためなら人殺しも厭わない人物。いわばダークヒーローなのです」(ドラマライター)
ダークヒーロー路線だと死亡する?
そもそも今まで小出しされていた乃木の過去が、第8話で描かれたことも気になるところだ。その意図は、乃木が善悪で人を殺すのではなく、命令されれば誰でも殺すような人間であることを印象づけたかったからかもしれない。
ただ、ダークヒーローという反語は乃木に当てはまるのだろうか。
「そもそも『VIVANT』は善悪という区別を曖昧に描いてきた作品。正義の対義語は悪ではなく、もうひとつの正義ですから。日本国内だと最悪の行動だとされるテロ行為も、テロをしかける側からすれば筋の通った正義です。
乃木には二重人格説も浮上しているし、あえて善悪の境界線を曖昧にしている。作中に潜む謎を乃木というフィルター通すことで、視聴者も『自らが考える正義とは何か』を考えることになる。そういう意味で、乃木はダークヒーローに当てはまるかもしれません。
乃木の過去を第8話で後出しにして、本性を曖昧にしたのも演出の一環。裏切りという行為は、立場によって180度考え方が変わりますからね。その行為に正統性を持たせるに、善悪の境界線をまたも揺るがしたのです」(同・ライター)
「死は救済」という言葉もあるように、人々の価値観は土地や環境によって
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