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炎天下で10代の少年が酷使され、丸坊主を強制されるなど、高校野球はさまざまな問題点が叫ばれてきた。かねてから議論が交わされていたが、今大会はさらにその激しさを増している。
きっかけとなったのは、神奈川県代表の慶應義塾高校だ。同校野球部はかねてから坊主頭を強制していなかったが、今大会では一段とおしゃれな部員が多く、髪をなびかせるなどの特異性が注目の的に。
さらに、森林貴彦監督の「大人が選手を自分好みのストーリーに当てはめようとする」「別に坊主頭じゃなくても、何も問題ないのではないか」といった過去の発言がSNSで取り上げられ、多くの共感や否定を呼んだ。
長時間の過酷練習や坊主の強制、絶対服従といった旧来のスタイルの高校が敗退し、自由な部風の慶應が勝ち進んでいることも、ネット上で〝痛快〟だと溜飲を下げる反応が目立つ。
まるで軍隊のような各高校と慶應の対比が出来上がり、すっかり慶應が〝光〟〝善〟だとして持ち上げられているのだ。
慶応高校野球部が強くなった理由は?
確かに、坊主や軍隊式の組織風土・練習は前時代的であり、慶應の方針が称賛されるのも無理はない。
「この慶応高校野球部の方針は、2018年ごろから話題になっていました。強豪校は全国から有力選手をスカウトし、即席チームで予選や甲子園を戦っていく。今年の慶応高校の快進撃は、昔から続けてきた〝エンジョイ・ベースボール〟の風土に、全国の有力選手がついてきた結果でしょう。主力選手は神奈川県外出身が多いですから」(スポーツ紙記者)
また〝慶応〟というブランド力も魅力的なため、全国から有力選手が入部するとも。
「高校野球の経験者は、全員が大学へ行けるとは限らない。高校3年間を野球に費やしてきた選手も多く、勉学がおざなりになることも多いですから。その点、慶応だったら東京六大学野球への道もあります。将来性や今後のことを考え、慶応へ進む選手が多いのも納得です」(同・記者)
神奈川には甲子園常連校が多く、毎年予選から大きな注目を集めている。慶應高校の夏の甲子園出場は5年ぶり19回目。神奈川県代表として単独出場は実に61年ぶりだという。
慶應高校の快進撃は今後も続きそうだ。
Source: まいじつ2
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