『スラムダンク』安西先生は指導者失格!?“実は最低だった説”再燃
『SLAM DUNK』新装再編版 1巻(井上雄彦/集英社)
バスケ漫画の金字塔『SLAM DUNK』を語る上で、名指導者・安西先生の話は外せない。しかし劇場版『THE FIRST SLAM DUNK』の大ヒットにより、あらためて世間の注目が集まるなか、彼の“指導者としての資質”が疑問視されてしまっている。
部員のいざこざは放ったらかし
安西先生こと安西光義は、主人公・桜木花道のいる「湘北高校」バスケ部の顧問。柔和な雰囲気だが、試合となると的確な作戦を打ち出す名采配を見せつける人物だ。
過去には名門大学でも監督を担当しており、「白髪鬼(ホワイトヘアードデビル)」の異名もあったほど。他校の監督からも一目置かれ、三井寿や宮城リョータを始めとする部員からも、憧れの目を向けられている。
だが、大人になった読者たちの間では、安西について“監督失格”と主張する声も少なくない。
具体的には、《指導者として結構やばいからな。三井がグレた間何してんたんだよ》《良いメンツ揃ったから重い腰上げて動き出したクソ監督》《人間をバスケの能力でしか認識してない》といった指摘が上がっていた。
実際、湘北バスケ部の足跡を振り返ると、安西は必ずしも名監督とは言い切れない。
桜木花道が入部する前のバスケ部は、赤木剛憲の方針についていける部員が少なく、崩壊寸前だった。
部員が揉めている状態だったが、それにもかかわらず、安西はノータッチだった。仲裁はもちろん、部員の相談に乗ることもしていないだろう。
それだけでなく、三井が1年生の頃に怪我をして部を去った件にしても、とくにフォローはなかったようだ。
顧問としての職務を放棄していると言われても仕方ないが…。
天才にしか興味がない?
こうして放任主義に徹していた安西だが、あるきっかけで突然バスケ部の世話を焼き始める。
それが、桜木と流川楓の入部だ。才能ある選手が増えたことで、露骨にやる気に火がついたように見えてしまう。
そもそも安西は才能重視の監督。大学での監督時代には、谷沢龍二という優秀な選手に入れ込んでいた。
しかし当時の安西は選手の育成に失敗し、後悔が残る結末を迎えてしまうことに。その失敗をふたたび繰り返しそうになったのが、絶対王者・山王工業戦だ。
桜木が背中を負傷した際、選手生命に関わる致命傷につながると安西は気づいていた。
選手を思うなら、真っ先に
コメント