劇場版『SLAM DUNK』は『チェンソーマン』の二の舞? リアル志向でファン脱落の予感
『SLAM DUNK』新装再編版 1巻(井上雄彦/集英社)
1990年代に一世を風靡したバスケ漫画の劇場版『THE FIRST SLAM DUNK』が、12月3日に公開された。どうやらスタートダッシュは好調のようだが、今後TVアニメ『チェンソーマン』と同じ道を辿るのではないか…と心配されている。
リアルを追求した新作劇場版
「THE FIRST SLAM DUNK」は、同作の約27年ぶりとなる劇場アニメ。原作者の井上雄彦が脚本・監督を手掛けており、CG技術をフル活用することで、贅沢な映像に仕上がっている。
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— 映画『THE FIRST SLAM DUNK』公式 (@movie_slamdunk) December 2, 2022
その一方で、公開前から賛否を呼んでいたのが、TVアニメ版からキャスティングを一新するという方針。桜木花道役に木村昴、流川楓役に神尾晋一郎などと、フレッシュな顔ぶれが抜擢されている。
12月3日、公式サイトに掲載された井上のインタビュー「映画で、もう一度『SLAM DUNK』に出会う」では、その理由について言及されている箇所も。
井上いわく、声優変更に至ったのは、アニメにありがちな“誇張した表現”を使いたくないというこだわりが発端だったようだ。「普通のコート上にいる、バスケ部の高校生」を思わせるような、リアルな演技を求めていたとのこと。それを実現するには、声優の演技を根本から変える必要があったそうだ。
しかし、TVアニメ版にはすでに確立したキャラクター像があり、それをあらためて1から創り直すのを、旧声優に強いたくなかったという。その結果、声優を総入れ替えする決断に至ったようだ。
リアル路線の追求は成功するのか
井上はいわばアニメ的表現ではなく、リアル志向を選んだと言えるが、同じような方針は現在放送中の「チェンソーマン」でも見られる。
同作の監督である中山竜は、10月4日に発売された『日経エンタテインメント!』2022年11月号のインタビューで、その方針について言及。アニメらしさを極力排除し、写実的で映画のような映像作り
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