『ONE PIECE』ロギア系“最弱”はあの海軍中将?「的を広げるだけ」の能力者
『ONE PIECE』103巻(尾田栄一郎/集英社)
バトル漫画では主人公たちの成長を描く必要があるため、パワーインフレがつきもの。『ONE PIECE』でもそれは例外ではなく、長い物語の中で戦力差が移り変わってきた。“白猟のスモーカー”は、その最たる被害者の1人だ。
強キャラの風格がゼロに
スモーカーは海軍の実力者として、物語序盤の第97話で初登場した人物。自分の身体を煙に変えられる「モクモクの実」の能力者であり、ロギア系への対抗手段をもたなかった当時のルフィを大いに苦しめた。
しかしその後、「麦わらの一味」が大幅に強化された2年後の世界では、パワーインフレに取り残されていくことに。第662話では「パンクハザード」にて、トラファルガー・ローとタイマンバトルした上で敗北。あっさり心臓を抜き取られ、無力化されてしまう。
またたしぎと身体が入れ替わった状態ではあるが、シーザーの前で力尽き、部下たちを「1日に二度もあの人が倒れた姿を見るなんて」と驚愕させることとなった。
その後は身体を取り戻したうえで、「パンクハザード編」の黒幕であるヴェルゴと対決。怒りの鉄拳制裁を食らわせるが、自身は敗北し、ローの心臓を取り戻す役割にとどまっている。
またドフラミンゴとの戦いでも敗北シーンが描かれており、“1日に四度”も倒れた姿を見せ付けたことで、連戦連敗のイメージが付いているのが現状。なぜスモーカーは、かませ犬的なポジションになってしまったのだろうか。
ハズレ疑惑のある「悪魔の実」
読者の間では、スモーカーの能力に欠陥があるという意見も多い。ロギア系は身体を自然物に変えられるため、物理攻撃を避けられるのだが、「モクモクの実」は“それしか特徴がない”能力だからだ。
同じロギア系でも、水分を吸収できる「スナスナの実」や、あらゆるものを凍らせる「ヒエヒエの実」など、それぞれに攻撃手段があるのが一般的。しかし「モクモクの実」はそれ自体に攻撃力が備わっていない。
さらに、「武装色の覇気」の登場で弱点が浮き彫りに。ロギア系でも攻撃が通るようになったため、煙の強みがなくなってしまった。実際、作中でもヴェルゴから「体積を増やせば的を広げるだけ」と揶揄されている。
そもそも、同じ煙系の能力では、シーザーの「ガスガスの実」が完全に上位互換。シーザーはさまざまなガスを自由自在に操ることも可能だからだ。
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