画/彩賀ゆう (C)まいじつ
10年総額1000億円超の巨額契約でロサンゼルス・ドジャースへ移籍した大谷翔平が話題を独占している。だが、この金額がそのまま懐に入ってくることはなさそうだ。
その原因は、日々変動するドルと円の為替レートだ。メジャー球団はドルで報酬を支払うため、そのレートに大きく左右される。
「この1年のドル円相場は異常な円安。11月に再び訪れた152円弱をピークに、今なお140円台という水準で、一般的に適正レートとされることが多い100円~110円ほどに比べ、1.5倍になっています。変動相場制への移行時が308円だったとはいえ、プラザ合意後では1990年の160円台に次ぐ水準ですから、歴代2番目の円安と言ってもいいでしょう。昨年に何度も為替介入を行ったことからも、その異常性は明らかです」(金融アナリスト)
大谷の〝1000億円超〟というセンセーショナルな金額は、この異常な為替レートが生んだものだ。
10年の総年俸は7億ドルだが、これを1ドル100円で計算すれば700億円。それでも十分巨額ではあるが、1000億円という大台のインパクトはなく、印象もだいぶ異なるだろう。
すでに、この金額は揺らぎつつある。
計算上は1日で35億円も損失 すでに1000億円割れ
「12月13日、ドル相場は一時145.996円で、ほぼ146円をつけていたが、アメリカの利下げ観測から徐々に円高方面へ進行。日本時間未明に行われたアメリカ連邦公開市場委員会・FOMCでは金利据え置きが決められ、14日昼には一時140円台と、1日で5円も円高方向へ振れています」(同)
大谷の契約は10年7億ドルのため、1円円高に動くだけで7億円、年間で7000万円損する計算になる。5円円高に動いた13日から14日は、1日だけで累計35億円を損したことになるのだ。
これに合わせ、1ドル141円で大谷の契約を計算すると、その総額は987億円。早くも1000億円の大台割れだ。
大谷の巨額契約といえば、本人の申し出により、9割以上の額が10年契約終了後から後払いになることが報じられている。
だが、受け取る額だけを考えれば、これは信じられない選択だという。
「現在は史上最安水準の円安なのだから、ドルで給料を受け取る人にとって、向こう30年は訪れない絶好のボーナスタイム。黙っているだけで1.5倍もの下駄を履かせ
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