『鬼滅の刃』1巻(吾峠呼世晴/集英社)
日本のアニメコンテンツいま世界的な評価を受けている。しかし、国内でアニメはすっかり端に追いやられ、ゴールデン帯でのレギュラー放送は2019年の9月を最後に消滅している。ところが最近になって、アニメ枠をまたゴールデン帯に持ってこようとする動きも出ているようだ。
「日本で最後にゴールデン帯で放送されたアニメは、テレビ朝日系の『ドラえもん』と『クレヨンしんちゃん』。この2番組が19年10月の改編期をもって夕方に時間が移されたことで、日本からゴールデン帯でのアニメ放送は消滅したのです」(テレビライター)
アニメがゴールデンから消滅した理由は視聴率不振だ。
「かつては、『Dr.スランプ アラレちゃん』などがゴールデン帯で20%以上の視聴率を連発していましたが、いまでは一桁前半の視聴率が当たり前。『ドラえもん』と『クレヨンしんちゃん』も、二桁を取れなくなって左遷されたと聞きます」(同・ライター)
しかし現在、テレビ界は視聴率重視だった今までから脱却し、SNSでの反響や2次利用のできるコンテンツ探しに躍起になっている。
アニメ放送はうまみが少ない?
「CM放送によるスポンサー収益だけではキツくなったテレビ界は、TVerや自社プラットフォームでの配信を強化。さらにグッズ展開やイベント事業などで売り上げを稼ごうとしている。これと相性がばっちりなのがアニメなのです。アニメグッズはオタクがお金を使ってくれますからね。
また幸い、近年は『鬼滅の刃』や『葬送のフリーレン』などが、23時台の放送で視聴率もちゃんと残していることから、もう少し早い時間にあげてもいいのでは?という風潮が上層部にもまわっているようです」(同)
ただ、アニメ放送の強化は、首を絞めることにもなりかねなく…。
「アニメはフジテレビやTBSなど放送局が作るのではなく、あくまで外部のアニメ会社に委託して制作してもらう。そうなってくると、どれだけ莫大な売り上げを出しても、利益は折半となるし、原作アリの作品だったら、そこに出版社も絡んでくる。
そのため、テレビ局としてはそこまでうまみがない。かといって、テレビ局の利益配分を多くしようものなら、今はネット配信というかたちで逃げられてしまう。アニメ会社も無理にテレビ局に『放送してください』と頼る必要がない分、強気に出られる。テレビ局は結局、自社
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